毎日水を2リットル飲むと良いってホント?|おすすめの水分のとり方と注意すべきポイントとは

「水を毎日2リットル飲んだら痩せた」とか「水を毎日2.5リットル飲んだらこんなに元気になった」のようなSNS投稿をされている人を見かけますが、疑問に思ったことはないですか?

それって、本当に身体に良いのでしょうか?

美容や健康目的での水分摂取と注意していただきたいポイントなどについてご紹介させていただきます。

実は、この注意していただきたいポイントについて、SNSでの水分摂取推奨界隈でもそこまで深く言及されている方は少ない印象です。

少し長いですが、どうぞ最後までお読みください!

目次

そもそも、水分は取れば取っただけ良いのでしょうか?

まずは、1日に排出される水分と摂取すべき水分を挙げてみます。(数値に関しては諸説ありますし、本来なら年齢や日中の活動強度、体重、季節、平熱を考慮すべきですが、今回は厚生労働省の資料を参考にしました。)

【体外に排出される水】

  • 尿・便:1,600mL
  • 汗や呼吸で失われる水分量:900mL
  • 合計2,500mL

水分の排泄と摂取のバランスをとるなら、排泄される量が2,500mLなら同量の水分をとる必要があります。

そこで、人は普段何から水分摂取をしているかというと、食事と飲み物と、代謝によって体内で作られる水分があります。

【1日で摂取する水分】

  • 食事:1,000mL
  • 体内で作られる水:300mL
  • 飲み水:1,200mL
  • 合計2,500mL

排出と摂取のバランスをとるには、食事で大体1,000mL、体内で300mLの水が作られると言われているので、飲み水で水分を最低でも1,200mL摂取しなければいけないことがわかります。

では、冒頭に挙げたSNSでよく見かける「水を毎日2L飲んでこんな良いことがあった」という説についてです。

まず毎日2L〜2.5Lの水を摂取するというのは、必要水分量をかなり上回り、倍近く多いというのは先ほどの計算を見ていただけたらわかると思います。

結論としては、私は「本当に美容や健康に良いかどうかは人による」と思っています。

なんだか煮え切らない結論のように思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、要は「万人に効果がある方法ではない」ということです。

確かに、肌が綺麗になった、お通じが良くなった、痩せた、という感想に関しては、そう感じる方も多いだろうなとは思います。

私が推測する理屈として、

  • 尿量が増えることで老廃物の排泄が促進される可能性がある
  • 水分摂取が十分なので、便の水分も確保され通じが良くなることもある
  • 水分摂取が多いため、食事摂取量が抑えられる可能性がある

ざっくり書くと、こんな感じでしょうか。他にも理由を挙げている方もいらっしゃると思いますが、水分を多くとるのは無意味だということではなく、一定の期待した反応が得られる可能性は十分あります。

ただ、誰にでも当てはまるわけではありません。水分摂取が多くなると、当然ですが尿量が増えます。ここが、気をつけていただきたいポイントなのです!

毎日水を2L飲むのが適正かどうか、本当に自分に合っているかどうかは、正直試してみないとわかりません。

そこで、おすすめなのは「自分の身体で実験する」です!

まず、1日の必要摂取量は毎日必ずとるようにしてください。夏場じゃなくても、水分摂取は必要です。夏場は汗の量が多くなるので、必要摂取量より多めにとるよう心がけてください。

そして1日2〜2.5L水分摂取したいなら、徐々に増やして身体の変化を必ずチェックしてください。

  • 汗はちゃんと出ていますか?
  • 尿はちゃんと出ていますか?

300〜500mLくらいずつ1日の水分摂取を増やしてみて、トイレが近くなるかチェックしてみてください。普段汗をあまりかかないという方は、身体が冷えて浮腫みやすくなっている可能性もあるので注意しましょう。

もちろん、トイレが近くなったからといって、トイレを我慢するのはダメです。膀胱炎になりやすくなるので、仕事中や何か作業中でもこまめにトイレに行きましょう。

そして、水分量を増やして身体が浮腫むようなら、腎機能が低下している可能性があります。

腎臓は、身体の余分な水分を尿として排泄してくれる機関です。年齢とともに腎機能が低下することもありますので、40代以降の方、特に血圧が高い方は身体が浮腫みやすくなっていないか必ずチェックしてください!

一般的に、足のすねを指で5秒間押して凹ませた時に、指を離してから元に戻るのに10秒以上かかると浮腫みがあると言われています。

水分摂取量を増やしたら、トイレの回数もしっかり増えて浮腫みもなく、尚且つ肌がキレイになった、お通じの調子が良いなど「自分にとって嬉しい反応があるかどうか」で判断し、多めの水分摂取を続けるかどうかをご自身で判断してください。

実は、これが一番大切です。自分にとってそのやり方が本当に良いかどうかは、自分にしかわかりません。単純に「SNSで良いっていう投稿を見たから」と、自分にとって合わない方法を続けるのは身体の負担になります。

また、自分の身体に合うなと感じても、以下のことには気をつけてください。

おすすめの水分の取り方

  1. 冷たい水ではなく、常温の水か温かい飲み物で水分をとる。白湯でもOK!

冷たい飲み物のとりすぎは身体の冷えにつながりやすいので、夏場でも冷たい飲み物をたくさん飲むのは控えてください。

  1. 腎機能を低下させない日常生活を心がける

尿がしっかり出ていたとしても、腎臓に負担がかかっていることには変わりありません。睡眠不足と不規則な生活は、腎臓に負担をかけてしまいます。睡眠をしっかりとって、規則正しい生活を心がけ、ストレスを溜めないようにしましょう。

  1. 水分摂取のおすすめのタイミングは、起床後、食事の前、運動前、入浴前、寝る前!

寝ている間に代謝し汗をかいて体内の水分を消費します。なので起床後や寝る前にコップ1杯程度の水分摂取はおすすめです。

食事の前に水分摂取しておくと、食べ過ぎを防ぐことができます。

また、汗をかく運動前も水分摂取はしっかり行なってください。

喉の渇きを感じる前になるべく水分補給するようにしましょう。

他にも、普段からお酒を良く飲む方も身体が浮腫みやすくなるので注意が必要です。お酒からの水分摂取は、「水分」とカウントしません。アルコールを飲む時は、飲んだ以上に水分摂取をすることが推奨されています。

夏場は特に水分摂取をこまめにした方が良いので、肝臓にも腎臓にも負担をかけてしまいます。

「肝心要(かんじんかなめ)」という言葉がありますが、「肝腎要」とも書くことをご存知でしょうか?

意味はどちらも「非常に大切な要点」のことです。「肝心要」は肝臓と心臓のこと、「肝腎要」は肝臓と腎臓のことですが、心臓だけでなく肝臓も腎臓も非常に大切なものです。

肝臓と腎臓は、身体の中の主なデトックス器官です。

”自分にとって必要で体調が良いと感じるような水分摂取”を続けて、腎臓や肝臓を労る生活を心がけることが、健康や美容にとって本質的なケアとなるでしょう。

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